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研究​内容

 衛生薬学は、ヒトの「生」を「衛」ることを目的とし,健康の維持・増進に繋がる科学を指向した学問です。薬物治療が最終目的ではないため,必ずしも医薬品が研究対象になるわけではありません。衛生化学教室では,バイオオルガノメタリクス(有機金属化合物・錯体分子のバイオロジー)を新しい研究ツールとして織り交ぜながら『血液凝固線溶系の調節メカニズム』,『重金属の血管毒性とその意義』,『血管におけるプロテオグリカンの合成調節因子』を3大テーマとして研究に取り組んでいます。

バイオオルガノメタリクス

 有機金属化合物や錯体分子を用いたバイオロジーを「バイオオルガノメタリクス」と提唱し新しい領域と技術を用いた生命科学研究を展開しています。これらの有機-無機ハイブリッド分子の持つ特異的な性質を細胞内で引き出すことで,新たな生体分子の調節メカニズムの解明が期待されます。

血液凝固線溶系の調節メカニズム

 ヒトの体内の隅々まで張り巡らされた血管を通る血液は、外傷などを負った際に速やかに凝固し,血栓を形成することで必要以上の血液の流出を防いでいます。しかしながら,いつまでも凝固状態にあると各種臓器に必要な栄養の供給が滞ってしまうため、傷害部位の修復に伴って血栓は溶解される必要があります。本研究では,血栓を溶解するプロセス(線溶系)の誘導メカニズムの解明を行うことで,血栓形成に起因する疾病の原因を探ります。

重金属の血管毒性とその意義

 日本の衛生薬学の歴史は、重金属を原因としたいくつもの公害や事件を抜きにして語ることはできず,現在でも我々は環境中から食品を通じて重金属に曝露し続けています。それぞれの重金属によって蓄積しやすい部位や傷害を受けやすい臓器は異なりますが,血管を経ることなく重金属がそうした場所に到達することは不可能です。本研究では重金属に対して血管という微小環境がどのように応答するか解析することで,生体防御システムとその破綻による傷害の発症機構の理解を促します。

血管におけるプロテオグリカンの合成調節因子

 プロテオグリカンは,コアタンパク質にグリコサミノグリカン糖鎖が共有結合した分子であり,細胞表面と細胞外マトリックスの主要構成成分です。血管においてプロテオグリカンは動脈硬化の発症・進展に関わることが注目されています。本研究では,プロテオグリカンがどのような因子によって合成調節されるか明らかにすることで,動脈硬化進展の分子メカニズムの提示とその予防に繋げます。

講義・実習(学部生の複数講義担当科目のみ記載)

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環境Ⅰ(3年生・春学期 / 山本,原)
​ 地球環境と生態系,環境保全と法的規制,水環境,大気環境,室内環境

健康Ⅲ(4年生・春学期 / 山本)

​ 健康と疾病の概念,保健統計,疫学

健康Ⅳ(4年生・秋学期 / 山本)

 疾病の予防とは,感染症とその予防,生活習慣病とその予防,母子保健,労働衛生

衛生薬学実習(3年生・春学期 / 山本,原,中野)

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